この記事は有料note2016/07/18 に掲載したものです。

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日経新聞に、南場さんのインタビューが掲載されていた。

厳格なお父様の元で、厳しくしつけられたので、そこから少しでも離れたいという脱出のモチベーションが、東京への進学や、留学への意欲に繋がり、自分を成長させたという話。そして、徐々に自分の進化や環境の変化でお父様と話ができるようになってきたことなどが、南場さんらしいユーモアのある語り口で記載されていた。

このインタビューを読んで、私も深く共感した。


南場さんのような名家ではないが、かくいう私も、厳格な父の元で育ち、箸の上げ下ろしから、箸を付けるタイミング、お風呂に入る順番まで厳しく決められた。そのような環境で育った事そのものが、私の人生に大きく影響を与えた。


それは、


「自分の意思で、人生を歩んでみたい」

という決意だった。


父親に「親の経済保護下にいる間は、親の言う事は絶対だ」と言われたのには、まったく反論が出来なかったけど、

末っ子だから、家族で一番発言権がない、末っ子なのでおさがりしかきれない、末っ子だから、姉妹喧嘩をしても、悪いのは私。そんな理論にはなかなか納得できなかった。


なので、私は小さいときから虎視眈々と、自由に生きる方法について考えていた。


大学では家庭教師のアルバイトで荒稼ぎをして、果たして自分で自立して生活するにはどれくらいのお金がかかるのか計算した。(生活は出来ても学費が払えないと知って断念し、貯金に)


新卒で入った会社では、通勤圏内なのに寮に入った。

やっとやっと自由になれた、そう思ったときは感激した。


ただ、その程度の自由というのは足元がおぼつかないことにすぐに気がついた。


営業だから、数字を上げないと、居心地が悪い。嫌なお客様でもオーダーがあればいかなければいけない、理不尽な交渉を突きつけられて、怒号を上げたくても、穏やかな空気をつくり料金を回収しなくてはいけない。お客様にセクハラされても、訴える訳にはいかない。


だからもっと力をつける事を決意する。居心地良くするには、自分が売れれば良い。嫌なお客様やセクハラ客は他にまわしてもらえるほど、素敵なお客様に囲まれるようなスーパー営業マンになればよい。


嫌がらせやセクハラをする客は、私の足元をみたり、私が弱そうにみえたからだと、値踏みの結果の行動なのだろう、お客様から尊敬されるほどの実力をつければよいのだ。


その後もそうだった。ベンチャーに転職して、起業して、理不尽な出来事には遭遇するものだ。


でも、その理不尽さを遠ざけるのに一番有効的だったのは、自分に実力をつけることだった。



女性としてもそうだと思う。交際相手に理不尽な事を言われても、別れたくないという気持ちからその条件を飲み自分を殺すのか。妻だからと旦那さんから酷い請求をされても、世間の常識のバツはいけないと、その条件をのむのか。


もしくは、自分の力を信じて、却下し、潔く、次のステージに上がるのか。

それは、自分次第で選べる選択なのだ。一度きりの人生なのだ。

仮面をかぶるのか、自分らしく生きるのか。

自分への信頼があればあるほど、理不尽さととっとと決別し、新しい世界へ踏み出せるだろう。


そして、幾度か、そうやって私が確信したこと。


それは、新しい世界へ踏み出す事は、不安かもしれないが、踏み出したあとの世界がいかに素晴らしいかという事。それは、まるで勇気のご褒美だ。そのときの自分に見合った世界が広がるし、努力すればつくれるのだ。



理不尽な男性からはなれれば、本当に愛のある男性に出会える。

理想の事業や組織を追求すれば、素晴らしいものが再構築できる。


そうやって、自らの決断で理不尽さを遠ざけたとき、振り返れば、過去のすべてに感謝し、心の中で和解できるのだと思う。


■そんな一歩を踏み出したい方へ


■上記、南場さんとのエピソード